ファイナンス
人の生存と繁栄に欠かすことのできない重要な生態系を長期間にわたり確実に保護するために、コンサベーション・インターナショナルは、保全プロジェクトを継続させるための資金調達の在り方を模索してきました。それはつまり、自然保護に資金を活用することができる革新的な調達方法を開発することです。
重点分野
健全な自然生態系と野生生物が本来持つ価値を実証し、私たちは「自然」が賢明な投資先であることを証明しています。
自然生態系の持つ炭素固定および吸収の機能を活用すれば、気候変動による最悪の影響を回避するために世界が必要な排出削減量の3分の1近くもの削減が可能であるにもかかわらず、自然を基盤とした気候解決策には、世界の気候変動対策資金のわずか3%しか投入されていません。私たちは、公的資金と民間資金を組み合わせた資金メカニズムを構築することで、この比率を高める努力を続けています。
CIの気候危機への取り組み >>
私たちの目標は、漁業と海洋資源の持続可能な管理を徹底しながら、2025年までに世界の海域の5%を保護下へ置くことです。私たちは、海洋保護区を拡大することの価値を実証するために、国の管轄区域内外の主要な関係者と緊密に連携しています。また、世界中各地の漁業管理を改善するためのパートナーシップも構築して取り組んでいます。
CIの海洋保全への取り組み >>
コンサベーション・インターナショナルは、人と自然双方の繁栄にとって、最も重要だと特定されたランドスケープやシースケープの概念に適用する、自立的で拡張可能な保全戦略の構築を目指しています。そのため、私たちはパートナーと共に、公的、民間の資金を活用し、重要なエコシステムを保護すると同時に投資可能なプロジェクトの供給が、市場の需要に見合っているかを保証できる独自のファイナンスモデルを開発しています。
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活動のインパクト
ファイナンスメカニズムとパートナーシップの組み合わせにより5億ドル以上の規模のメカニズムが45カ国以上で展開
1988年以降、1億1330万ドルに相当する環境債務スワップに貢献
これまでケニアとペルーのプロジェクトから生み出されたカーボンクレジット
私たちの計画
助成金から融資、ファンドなど、従来の金融手段のほとんどは、大きなインパクトをもたらす「グリーン」な投資に振り分けることが可能です。コンサベーション・インターナショナルは、自然を長期的に保護する新たな資金調達方法を開発しています。私たちは、公的資金と民間資金を組み合わせて、投資に対するリターンを確保する複製可能なビジネスモデルを構築し、プロジェクトへの需要を高めるためにパートナーを集めて、これらを実現しています。
プロジェクト
大手企業や投資家と提携し、新たな投資手段を確立することで、森林再生、持続可能な林業、カーボンマーケットなどのプロジェクト、そして中小企業を支援するための民間資金を少なくとも3億ドル創出します。
コンサベーション・インターナショナル・ベンチャーズでは、持続可能な農業・林業、エコツーリズムの開発など、環境保全への投資を希望する企業とのパートナーシップを構築しています。それにより有望な環境ソリューションを持つ中小企業に資金を提供しています。
多くの自然保護区は、一度作られても、その効果を発揮するための資金や管理体制が圧倒的に不足してます。コンサベーション・インターナショナルは、陸域および海洋保護区へ安定した資金を提供するために、革新的で持続可能な資金調達メカニズム(基金や信託基金など)を設計して、支援しています。2001年以降、私たちの努力は人類の繁栄にとって不可欠である8,100万ヘクタールの自然地域の保護につながっています。
森林、草原、湿地帯、沿岸地域を保護し、回復させることは、気候変動との戦いにおいて、最も直接的でかつ費用対効果の高い方法のひとつです。コンサベーション・インターナショナルは、カーボンマーケット認証の厳格な基準を満たす、高品質で公平なカーボンイニシアチブのパイプラインを開発しています。ペルーからケニアまで、世界各地を拠点とするこれらのプロジェクトは、カーボンを豊富に含む生態系の保護と再生、生物多様性保全、そして地域コミュニティや先住民族への具体的な利益提供のための資金調達を可能にします。
コンサベーション・インターナショナルは、生物多様性ホットスポットの保護に取り組む市民団体やNGO、民間グループなどのパートナーへ助成金を提供するクリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金へ資金を拠出する6つのドナーのひとつです。
重要な生態系の保護に利用できる資金を増やすため、コンサベーション・インターナショナルは、民間資本を集める取り組みを積極的に支援しています。世界で初めて、ファンド・マネージャーを設立する企業を支援し、既存のパートナーと協力して、保全への影響と経済的リターンを提供する新商品の開発に取り組んでいます。例えば「アルテリア・クライメート・ファンド」(現ミローバ・ナチュラル・キャピタル)には、自然資本ファンドを立ち上げるためのスタートアップ資金を提供しました。「サステナブル・オーシャン・ファンド」では、2018年に初めてのクローズを迎え、”ブルーな”資金調達の劇的な増加を実現しました。同様に、ドイツの開発銀行KfWおよび投資運用会社ファイナンス・イン・モーションと提携し、ラテンアメリカ全域で持続可能な投資を主流化するため、地元金融機関と直接連携し、同地域全域の持続可能な企業を支援するeco.Business Fundを立ち上げました。