ローカルコミュニティとのパートナーシップ

 

1987年の設立以来、コンサベーション・インターナショナルは、世界に存在している原生自然の約4割をテリトリーとする、先住民やローカルコミュニティを支援してきました。先住民の権利保護は団体の設立理念でもあります。

 

 

重点分野


私たちは、健全な生態系を維持しながら持続可能な生活を可能にする、という人間の幸福と自然保護を結ぶ「人権に基づく自然保護アプローチ(rights-based approach)」を実践しています。

先住民やローカルコミュニティ、若者など、社会のあらゆる人々が参加することでのより包括的な自然保護活動として、保全活動への伝統的知識や科学技術を活用を目指しています。

 

 

自然を力を活用し、気候を安定させる


原生林やマングローブ林、泥炭地など、健康で高度に炭素を保有できる自然生態系は、気候変動による最悪レベルの影響を緩和するのに役立ちます。コンサベーション・インターナショナルは、ステークホルダーやパートナー団体らと協力し、先住民やローカルコミュニティにそのような場所の保護に対してインセンティブを提供しながら、保全対策を進めています。


CIの気候危機への取り組み >>

海洋保護スケールの倍増


海と海の生態系がもたらす様々なサービスを長期的に確保するためには、その効果的な管理を保証していかなければなりません。コンサベーション・インターナショナルは、パートナーとの協力の下で、ローカルコミュニティが管理する小規模漁業や養殖場と連携し、社会的責任を果たす持続可能な漁業を実践しています。


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プラネットポジティブな経済の促進


私たちは、水陸、それぞれの持続的な管理を実現するために、伝統的な知恵を持つ先住民族やローカルコミュニティと提携することで、プラネットポジティブな経済を促進することに重点を置いています。 技術支援とトレーニングを実施することで、世界で最も重要な生態系を対象に拡張可能な自然由来の保全モデルの作成を目指しています。


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先住民族とローカルコミュニティ

先住民族とローカルコミュニティには多くの共通点があるかもしれない一方で、国内政策や国際政策において、彼らの権利がどのように認識されているかなどには、いくつかの重要な違いがあります。

 

先住民族 とは、慣習的な社会的・政治的制度、歴史的継続性、特定の土地への愛着を持ち、そのような集団であることを自認する者と定義される。
より詳しくは、国連のHPを参照ください。

ローカルコミュニティ は、暮らしを自然生態系に直接依存しており、その結果、その地域に関する伝統的知識を発達させてきた。

 

 

私たちの計画

 

© Conservation International/photo by Tory Read

コンサベーション・インターナショナルは、「グローバルに自然を基盤とした開発モデルを実践する」というミッションの一環として、先住民やローカルコミュニティと密接に協力し合いながら、主な政策関係者とのつながりを強めています。重要な技術や持続可能性に関するトレーニングプログラムを提供し、先住民やローカルコミュニティの専門的知識と経験を尊重することで、彼らが自分たちの領土をより良い形で保護し、そのような場所が全人類にもたらす利益も確保できるよう働きかけています。

コンサベーション・インターナショナルは、以下のイニシアチブを含め、先住民族とローカルコミュニティによる完全かつ効果的な保全活動への参加を支援しています:

  • 先住民族リーダーシップ保全フェローシップ(※英語サイト)では、新しく指導者となる先住民族リーダーに、個人的および職業的発展のための学習の機会や人脈を提供する充実したプログラムです。このフェローシップでは特に先住民の女性に重点を置いています。
  • 先住民族ネゴシエーションプログラムでは、先住民やローカルコミュニティが開発主体として交渉できる能力を強化し、外部主体によって彼らの領土で実施される活動から公平な利益を得られるよう支援しています。
  • 「自然保護と紛争の配慮プログラム(conflict sensitivity)」は、平和で豊かな社会づくりにおいて自然が果たす役割について、トップクラスの専門家や専門機関、ローカルコミュニティがよりよく理解し、自然の価値を見出すことに役立っています。ピースネクサス財団とのパートナーシップのもと、人権に基づくアプローチを用いて、紛争に関する分析を保全計画策定のプロセスに組み込んでいます。

  • 流域管理と、水・トイレ・衛生サービス(総称して「WASH」)を組み合わせることで、コミュニティによる生態系の管理者責任(スチュワードシップ)を促進し、コミュニティの幸福をサポートします。私たちの目標は、耐性力のあるコミュニティと淡水生態系のつながりを、あらゆる状況において認識しながら、長期的な人の健康と保全の成果を継続させることです。

 


現地プロジェクト

 

© Cristina Mittermeier
ブラジルのカヤポ族:森の番人

コンサベーション・インターナショナルは、ブラジルのアマゾンで、先住民の文化と土地を守るためにカヤポ族を支援しています。2011年には、先住民によるアマゾンの保全に長期的な資金を提供する初の信託基金「カヤポ基金」を設立しました。詳しくは >> 

© Piotr Naskrecki
気候変動資金の直接調達

コンサベーション・インターナショナルは、プロジェクトの設計と資金調達に関する決定をコミュニティに委ねることで、森林減少に立ち向かうための革新的な助成金プログラム「先住民族と地域コミュニティのための専用助成金メカニズム(Dedicated Grant Mechanism for Indigenous Peoples)」で重要な役割を果たしています。

詳しくは >>

© Lucas Bustamante
先住民リーダーフェローシップ

先住民リーダーフェローシップは、気候変動と生物多様性の損失の問題に取り組むために、伝統的知恵と科学をどのように活用できるか探る機会を先住民の指導者たちに提供するものです。詳しくは >> 

© Cristina Mittermeier
自由意思による、事前の十分な情報に基づく同意

コンサベーション・インターナショナルは、先住民の土地、領土、権利に影響を与えるいかなる行為に対しても、先住民たちがその同意を授けたり、または、留保できる権利を指す、FPICの原則 (free, prior and informed consent :FPIC / 自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意)を尊重します。 詳しくは >>

© Benjamin Drummond
人権の尊重


コンサベーション・インターナショナルは、「人間の幸福」と「環境」の間には、密接なつながりがあることを認識し、人権に基づくアプローチによって、相互尊重と個人的・集団的権利の承認が、自然保護活動に組み込まれるよう働きかけています。詳しくは >>