「気候変動との戦いにおける、ターニングポイントが示された」 IPCC第2作業部会 第6次評価報告書への声明
2月 28, 2022
ヴァージニア州・アーリントン(2022年2月28日)
コンサベーション・インターナショナルCEO、Dr. M.サンジャヤンは、本日ベルリンにて公開されたIPCC第2作業部会第6次評価報告書に対しての声明を発表しました。
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今回の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、まさに、気候変動との闘いにおける転機を示しています。それは私たちにとって厳しい現実を考えさせるものでした。気候の危機は、今ここに存在しており、それは我々の周囲に広がっています。 世界ではすでに、火災の発生しやすい地域が過去の2倍に増えています。 古くから存在してきた種は今後永遠に失われます。 作物の収穫量は少なくなり、海洋の環境は生き物たちにとって住みやすい場所ではありません。 もし、世界経済の急速な脱炭素化が実現しなければ、沿岸都市は海に沈み、内陸部では、井戸が枯渇するのを見るでしょう。 野生生物は一気に消滅していき、仕事は一夜にして消え、私たちが生き残るために必要な資源がなくなっていくでしょう。 飢饉、紛争、人獣共通感染症は、人間を蝕み、そのようなトラウマは心を苦しめるのです。
これが、行動を起こさないことの代償です。人間の悲惨な状態は、後戻りできない状況になります。
世界で最も脆弱で、かつ、最も責任の低いコミュニティが、早くから地球温暖化の影響を感じ始めました。今こそ、世界の先進国の国々は、過去の約束を果たす時です。 炭素削減の取り組みを促進するだけでなく、世界で最も裕福な国々は、最前線のコミュニティを始めに、気候適応支援を拡大する必要があります。 そのような投資が正しく行われた場合、世界は、気候リスクを減らせるだけでなく、生物多様性の危機、資源不足、そして経済的不平等の長期にわたる負のサイクルにも影響を及ぼせるでしょう。
地球規模の気候変動問題は、われわれ人類にとって初めての課題です。しかし、私たちは自分たちが何をする必要があるか、正確に分かっています。 私たちには科学があり、大規模に行動するための技術的なノウハウを持っています。 また、自然の回復力を持ってすれば、根本的な問題に対処できると同時に、地域のレジリエンスを構築できることもわかっています。例えば、生い茂るマングローブ林は、沿岸の高潮に対する防災機能を提供しながら、信じられないほど膨大な炭素も吸収できるのです。 自然を守り、回復させることは、人類にとってメリットしかありません。私たちは社会のあらゆるレベルで変革を起こす必要があり、 それは、現在の消費方法と消費習慣を全転換することを意味します。 地球規模の課題に取り組むためには、最善な策と前向きな気持ちを持つことです。そしてそれは、すべてを形作る一つの課題をしっかり見据えて行動することができるリーダーを選出することも意味します。
私たちには、見たい世界を構築するチャンスがありますが、ただしそれは絶望感に駆られる気持ちを克服できた場合です。 絶望感は、人類をこの地球の果てにも、険しい山の頂上にも、そして宇宙の果てにも連れて行くことはありませんでした。 絶望感は、天然痘を撲滅することも、ほんの数ヶ月でコロナウイルスワクチンを開発することもありませんでした。 見込みがどうであれ、希望と行動のみが、問題を克服してきました。私たちを救うのは、そのような希望と行動なのです。
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◆コンサベーション・インターナショナルについて
コンサベーション・インターナショナル(CI)は、自然が人々にもたらす重要な便益を守るために活動しています。 科学、パートナーシップ、フィールドワークを通じて、気候危機に対する自然に基づくソリューションへのイノベーションと投資を推進させ、重要な生息地の保護を支援しながら、自然保護に基づく経済発展を促進します。 世界30か国で、あらゆるレベルで社会を活性化させながら、よりクリーンで健全で持続可能な社会を作ることを目指しています。
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