「ポスト2020生物多様性枠組」の交渉について
3月 30, 2022
2030年までに「ネイチャー・ポジティブ」な世界を実現するためにはさらなる野心的な目標と資金が必要
【スイス、ジュネーブ】コンサベーション・インターナショナルは、ジュネーブで行われていた国連生物多様性条約のポスト2020生物多様性枠組みに向けた交渉の閉会にあたり、声明を発表しました。
今回の会合は、2022年の後半に中国・昆明で開催される「生物多様性条約締約国会議(CBD-COP15)」で採択される予定の 、2030年までに達成すべき生物多様性枠組みに関する国際目標(GBF:Global Biodiversity Framework)の2050ゴールおよび21のターゲットの詳細を議論することを目的としていましたが、交渉の状況から、6月21日から26日までナイロビにて追加で協議が開催されることが決まりました。
2030年までのポスト2020生物多様性枠組み (GBF)の最終合意に向けた交渉は進展が遅く、現在の草案では野心的な目標が掲げられていないなどの課題が残ります。 各国は、昆明での会合までにより高いレベルでの目標の合意と必要な資金の獲得に注力していく必要があります。
ポスト2020生物多様性枠組み(GBF)の最終合意を実現するためには、特に以下3つの分野においての取り組みが不十分であり、より一層強い働きかけが必要です。
- 先住民と地域コミュニティの権利の尊重と必要な資金への確実なアクセス
- 年間7,000億ドルの生物多様性資金ギャップを埋めるためのコミットメント
- 水、食料、気候の安定など、人が生きる上で欠かすことのできない生態系サービスを生み出している最も重要な地域での行動の優先順位付け
気候交渉でパリ協定が合意されたように、「ネイチャー・ポジティブ」な世界の実現に向けて 、ポスト2020国際生物多様性枠組は、企業、政府、市民社会、先住民族など、私たち全員の行動指針となる、測定可能な科学的根拠に基づく目標を共有するものである必要があります。
今、世界は変革を必要としていますが、国際交渉をまとめて解決策を見つけるためには、かつてないレベルの政治的リーダーシップが必要でしょう。
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