科学

 

コンサベーション・インターナショナルが進める最先端の科学的研究は、国の政策や、実践的行動へ変革を促すための洞察を生み出します。

私たちは科学により、人類が直面する最も緊急な課題のいくつかに対して、よりスマートで効果的な解決策を考えだし、その実行を働きかけています。

温暖化を引き起こす炭素を大量に取り除いてくれる重要な生態系の保護に焦点を当てた施策から、日常の暮らしを支える持続可能な漁業の確立、さらに人と自然にとって最も重要な場所における自然生態系に基づく経済の促進まで、私たちの研究内容やツール、手法は野心的な世界目標の達成に貢献します。

CIの科学的知見は、保全政策の優先事項を定め、長期的な投資と実績を生み出す効果的なアプローチを推進します。

 

 

世界規模で自然保護の変革を起こす

気候の安定化のために自然を守る。かつてない規模で海洋を保護する。人と自然が共に繁栄する社会へ。
科学は、人と自然のために活動するコンサベーション・インターナショナルの活動戦略の中心にあります。コンサベーション・インターナショナルの科学研究は、各チームの優先事項を決定する指針となっています。

自然を力を活用し、気候を安定させる


熱帯林、マングローブ、その他の自然生態系は、最悪の気候シナリオを避けるために必要とされる、地球規模で必要とされる炭素除去行動の少なくとも30%を占める可能性があります。コンサベーション・インターナショナルの研究は、気候変動による大災害を回避するために保護する、または、再生するべき重要な自然生態系の場所を特定しています。


CIの気候危機への取り組み >>

海洋保護スケールを倍増させる


コンサベーション・インターナショナルは、様々な外部パートナーと協働し、2025年までに世界の海洋保護区を倍増させることを目指しています。科学を駆使し、海洋保全を進める財政的・政策的インセンティブを生み出します。私たちの研究では、保護されるべき最も重要な海域を特定し、その地域が気候変動の問題に直面しても、保全活動が継続されるよう支援しています。


CIの海洋保全への取り組み >>

プラネットポジティブな経済の促進


コンサベーション・インターナショナルは、 政策策定に関連する科学を用いることで、世界各地の重要な自然生態系を守り、 人間の福利向上に貢献する保全モデルを開発しています。私たちの科学的研究と科学ツールは、政府、企業から地域コミュニティに至るまで、幅広いパートナーによる保全活動とつなぐ橋となっています。

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私たちの計画

人々が必要とする自然はどこにあるのか?どうすればそれを守ることができるのか?


科学によって、最も緊急なニーズがあり、最もチャンスが大きい場所を特定し、優先事項を定めることができます。

CIの科学者たちは、新たな戦略を策定しつつ、グローバルな保全プログラムやプロジェクトの効果を厳密に評価します。

私たちの画期的な調査とツールは、政府、企業、地域社会、その他の重要な意思決定者たちが、人類の生存に欠かすことのできない自然を守るための戦略を策定する後押しとなっています。

 

プロジェクト

 

自然を保護し、回復させることで、気候の安定化を図る

© Trond Larsen

「回復不可能な炭素」を保護する:
コンサベーション・インターナショナルの研究者たちは、化石燃料排出量の15年分に相当する膨大な炭素埋蔵量を持つ生態系を特定しました。「回復不可能な炭素」として知られるこのような生態系は複雑なため、一度失われてしまうと、そこへ蓄積されている炭素埋蔵量は、国際目標が定める2050年までに回復することができず、気候危機の到来を早める可能性があります。私たちはデータを用いて、そのような生態系を保護するための野心的な世界的取り組みを促進するために働きかけを行っています。

 

© Benjamin Drummond

土地の健全性を取り戻す:
農業、都市拡大、森林伐採、気候変動は、土地を劣化させ、10億人以上に影響を与えています。農業の生産性は低下し、洪水や干ばつによる深刻な影響のリスクを増大させ、自然がもたらす恩恵を減らし、世界で年間10兆6000億ドルもの損失を生んでいます。コンサベーション・インターナショナルの研究者たちは、自然と人々の双方の利益のために重要な生態系を保護し、回復させるために、変革的な投資を可能にするインタラクティブなマッピング・プラットフォームと分析ツールを開発し、公開しています。

 

© Flavio Forner

気候変動に配慮したサプライチェーン:
コンサベーション・インターナショナルの研究者たちは、大豆、コーヒー、パーム油、皮革、綿花などの商品をより持続可能な調達を支援しています。こうしたコモディティの生産が環境に与える影響を軽減するための科学的根拠に基づく目標を設定するために、企業と連携しています。私たちの活動は、高炭素生態系を保護し、炭素の排出量を削減するために従来の農法を変化させ、生産性が低下した土地を回復させることにつながっています。こうしたアプローチにより、2025年までに農産物のサプライチェーンから年間1ギガトンのCO2排出を削減することができると見込まれています。

 


海洋保護スケールを倍増させる

© Cristina Mittermeier/sealegacy
公海のサンゴ:
実は波の下には、未開拓の広大な海底が広がっています。コンサベーション・インターナショナルの科学者たちは、過去のデータと世界中のサンゴの分布に関する50万件の記録を調べ、これまで知られていなかった公海に存在する116以上のサンゴ礁を特定しました。人間活動の影響から隔離されたこれらの深海サンゴは、世界のサンゴ礁にとって希望の光となります: これらのサンゴ礁は、海洋生物に重要な避難場所を提供すると同時に、劣化した沿岸のサンゴ個体群を「再繁殖」させるのに役立つ可能性があるのです。
© Cristina Mittermeier/sealegacy

気候変動に対応した海洋保護政策:
コンサベーション・インターナショナルのチームは、気候変動の影響によって、海洋生物種が現在そして将来どこに移動するかを発見するための研究を主導しています。ここから得られる情報は、気候変動に対応する海洋保護区を設置し、急速に変化する環境の中で海洋種に避難場所を提供するために、どの海域が重要であるかを特定するために欠かせません。

 


”プラネット・ポジティブ”な経済の発展

© Jesse Allen/NASA

価値ある自然資産のマッピングと評価 :
人々に恩恵をもたらす自然資源は「自然資本」と呼ばれ、その恩恵に依存する個人、企業、政府によって過小評価されがちです。コンサベーション・インターナショナルは、自然資源の保全と持続可能な利用を促進するために、各国がこのような自然からの便益を理解し定量化できるよう支援する取り組みをを支援しています。NASAの地球観測衛星によって生成されたリモートセンシングデータを用いて作成された「生態系拡大マップ」は、各国の自然資源がもたらす経済的便益と、それらが人々に提供するサービスを定量化するのに役立っています。

 

© Jamie Rose/Aurora Photos

淡水の健全性を測る:
世界中で深刻化する水不足の問題に対処するため、コンサベーション・インターナショナルは、淡水生態系の健全性を測る、科学に基づいた革新的なツールを開発しました。淡水の健全性指標は、水管理者や、意思決定者が流域の健全性を分析し、その行動のトレードオフと結果を理解し、長きにわたって健全で持続可能な流域を形成するためのアプローチについて、議論するための枠組みを提供しています。

 

© Will Burrard-Lucas / WWF-US

野生動物を守るテクノロジー :
カメラトラップによる画像は、野生生物調査の多くを支えています。コンサベーション・インターナショナルによるデータは、賢い保護政策を立案するために不可欠です。私たちの画期的なAI駆動型プラットフォームである「Wildlife Insights」は、世界最大のカメラトラップ・データベースであり、現在1600万枚以上の画像を保有しています。コンサベーション・インターナショナルが主導し、グーグルや野生生物保護協会、世界自然保護基金、スミソニアンなどとのパートナーシップの下で運営される「Wildlife Insights」は、保護活動家にとってほぼ認識されることのない無数の種について、信頼性の高い最新情報を提供しています。