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緑の気候基金

Green Climate Fund (GCF)

 

緑の気候基金(Green Climate Fund: GCF)は、途上国における気候変動対策を支援する国際的な基金です。現在の資金規模は103億ドル(うち、日本からの拠出は15億ドル)で、2015年からプロジェクトへの支援を行っています。同基金は、パラダイムシフトを起こすような革新的なプロジェクトへの支援を志向しています。

最近の研究によると、気温上昇を2度以下に抑えるために必要な排出削減の30%は、熱帯雨林の減少を止め、森林を再生することによって達成できるといわれています。しかし、そのために配分されている資金はすべての気候資金の2%にすぎません。今後各国が、パリ協定の目標の実現に向けて削減目標を引き上げていくために、そして気候変動の現実の影響に適切に対処していくためには、自然を活用した気候変動対策に対して、その有効性に見合った規模の資金が配分されることが必要です。コンサベーション・インターナショナル(CI)では、GCFにおいて、自然が持つ気候変動の緩和及び適応策としての有用性が十分に活用されるよう、GCFの制度が設計されることを希望し、さまざまな政策提言を行っています。

GCFが支援するプロジェクトは、GCF理事会が設定した資金管理基準や環境社会セーフガード基準を満たし、理事会がその旨を認証した機関によって実施されます。CIは、GCF理事会が認証した実施機関の一つです(2017年3月現在、48機関が認証済み)。2016年10月には、CIが欧州投資銀行と一緒に提案した、東部マダガスカルにおける持続可能なランドスケープの構築を目指すプロジェクト(総額69.8百万ドル、うちGCFからの資金は53.5百万ドル)が承認されました。CIは今後も、自然の機能を活用した気候変動対策のプロジェクトをGCFに申請していく予定です。