アマゾン

今もっとも危機に瀕する、地球上すべての生命にとって欠かすことのできない存在


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10%
全生物種

アマゾンの熱帯雨林は、地球上どの生態系よりも豊かな生物多様性が存在します。

20%
世界の淡水生態系

アマゾンの河川システムは、何百万人もの人々に水力による電力を供給しています。

3000万人
アマゾンに暮らす人々

この地域には、東京、メキシコシティ、ニューヨークを合わせた数の人々が暮らしています。


8カ国にまたがる世界最大の森林アマゾンは、大量の炭素を蓄え、気候変動に人類が取り組む上で非常に重要な場所です。しかし、人類はこの大切な地域を危機的状況に追い込んでいます。

アマゾンの熱帯雨林は、何千年もの間、何十億本もの木々が水を大気中に再循環させることで、無限の降雨サイクルに支えられて繁栄してきました。しかし伐採が進むにつれ、森林は水分を保持する能力を失いつつあります。このまま森林破壊のサイクルが続けば、アマゾンの熱帯雨林は生態系の「ティッピング・ポイント」を迎え、徐々に乾燥したサバンナに変わっていってしまいます。

コンサベーション・インターナショナルは、アマゾンの森林を維持し、人の生命を支え続けるために、野心的な保全計画を立て、実行しています。

 

 

アマゾンの問題

アマゾンの熱帯雨林は、農地や放牧地への転換、採取・採掘産業、都市開発の拡大により、これまでおよそ15%が伐採されました。科学者は、元の面積の20-25パーセントの森林が失われてしまった場合、森林の「ティッピング・ポイント」が訪れると警告しています。つまり、もしそうなれば、地球の気候は取り返しのつかないほど変化し、すべての生命に影響を与えることになることを意味します。

私たちの目標

コンサベーション・インターナショナルは、アマゾンにおける「ティッピング・ポイント」を防ぐことに尽力しています。2025年までに、地域の繁栄と人間の福利向上を確保しながら、アマゾンの森林の80%を保全することを目標としています。


私たちの計画


コンサベーション・インターナショナルの調査によると、アマゾンの熱帯雨林は、「回復不能な炭素(Irrecoverable Carbon:IC)」(森林伐採によって大気中に放出されると、取り返しがつかなくない気候変動の暴走を防ぐまでの時間に回復が間に合わない複雑な自然生態系の炭素貯蔵量)の20%以上を貯蔵していることが明らかになっています。

森林が気候破壊を防ぐ能力を維持するためには、ティッピング・ポイントを回避する必要があります。そのためには、今よりもさらに1億ヘクタール(100万㎢)以上の地域を保護区として指定し、4億ヘクタール(400万㎢)以上の既存保護区と先住民族の土地の保護を強化する必要があります。

これらの野心的な目標を達成するためには、様々な立場による協力が不可欠です。コンサベーション・インターナショナルは、アマゾンにおける35年にわたる経験に基づき、ブラジル政府や先住民、地域コミュニティ、民間セクター、NGO、支援者、投資家らとパートナーシップを築き、この目標を実現します。

保全行動の優先順位を決めるため、私たちはアマゾンを3つの「ゾーン」に分類しています。

 

グリーンゾーン:
形式的に保護されている地域、先住民族の土地、その他の種類の管理森林地域(64%)。グリーンゾーンの強化・拡大が必要。

イエローゾーン:
まだ正式に保護されていない、または特定の用途のために、政府によって指定されていない、手つかずの森林やその他の自然生息地(22%)。イエローゾーンは保護されなければならない。

レッドゾーン:
食料生産、住宅、電力、雇用等の需要のため、農地へ転換、開発、劣化が進んでいる森林(14%)。レッドゾーンで持続可能な農業生産を促進することは、イエローゾーンとグリーンゾーンの森林減少を緩和することにつながる。


私たちの解決策

© Adriano Gambarini

1. グリーンゾーンの強化と拡大

保護地域に設定されているにもかかわらず、グリーンゾーン内では毎年約34万5千ヘクタールの森林が失われています。そのため、コンサベーション・インターナショナルは、生きている森林を基にしたエコツーリズムやカーボンファイナンス、その他の新たな収入の機会を創出するよう努めています。また、先住民族が違法な森林伐採から自分たちの土地を守り、保護するのを支援し、アグロフォレストリーの実施や持続可能な開発を通じてコミュニティの暮らしを向上させるための活動も行っています。

 

© Neil Palmer/CIAT for Center for International Forestry Research/Flickr Creative Commons

2. イエローゾーンでの森林伐採を食い止める

最も危険な地域である「イエローゾーン」は、まだ保護対象にも生産対象にも指定されていない広大な森林を含んでおり、破壊のスピードを変えるための最前線と言えます。コンサベーション・インターナショナルのアプローチには、新しい保護区や先住民族の土地・領地の設立に関するアドバイス、経済的インセンティブによる森林保護プログラムの実施拡大、森林破壊ゼロを目的とした気候変動融資への住民のアクセス機会を増やす、長期的視点に基づく持続可能な開発のための枠組みである、自然資本会計の導入などが含まれます。

 

 

© Cristina Mittermeier

3. レッドゾーンにおける持続可能な生産の拡大

森林がすでに失われたか、大きく劣化しているレッドゾーンにおいて、持続可能な農業とスマートな開発計画を推進し、貧困を減らして、人口密度の高いこれらの地域における森林伐採の主な要因であるインフラと鉱物採掘の影響を最小限に抑えるために活動しています。森林破壊を伴わないサプライチェーンに関して、民間のコミットメントを引き出し、生物多様性と生態系管理をインフラと採鉱開発への組み込みところまで、コンサベーション・インターナショナルはさらなる森林破壊の防止を目指しています。

 

 

© CI Peru/ Marlon del Águila

先住民族とローカルコミュニティ

フランス政府の支援を受け、熱帯林の保護・修復・持続可能な管理のためのイニシアチブとして立ち上がった「Our Future Forests–アマゾニア ヴェルデ」は、2025年までにアマゾンの最大12%、約7300万ヘクタール(1億8000万エーカー)を保全することを目標に活動しています。これは、アマゾン熱帯林の保護・再生・持続可能な管理のための同盟である「熱帯林保護同盟」の主な活動の柱の一つです。

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