バーズヘッドシースケープ

海洋生物多様性の宝庫

 

世界で最も豊かな海洋生物多様性の宝庫であり、最も保護活動の努力が実っている場所

インドネシアの西パプアにあるバーズヘッドシースケープのキラキラした海には、生命が満ちあふれています。 世界の海洋生物多様性の宝庫であるこの地域は、ジンベイザメ、マンタ、ウミガメなど、海の象徴的な種を含む、驚くほど高い海洋多様性を誇っています。 この海が豊かであることで、海岸沿いに暮らす76万人のインドネシア人に食糧と収入の機会も提供することができます。

しかし、以前は違っていました。10年ほど前は、この水中の楽園は、規制のない商業漁業や密猟、ダイナマイト漁などの違法行為によって破壊されていました。 1990年代までに、一部の漁業では、単位あたり最大90%の漁獲量の減少が報告されていました。

バーズヘッドの海は荒廃の危機に瀕していました ― そして12年間にわたり、コンサベーション・インターナショナルは、バーズヘッドの海を頼りに生活している地域コミュニティと協力して、海の元気を取り戻すために取り組んできました。

なぜこの場所が大切なのか?

2,500
島々とサンゴ礁

イギリスと同じ大きさの広さである、インドネシアのバーズヘッド地域には、2,500を超える島々とサンゴ礁が存在します。

70<
多様な種

地球上、他の地域では見られない70種以上の固有のサンゴ礁や熱帯魚、甲殻類が生息しており、専門家たちはこの場所を「進化の大釜」または「種の工場」と呼ぶほどです。

最大規模の
巣作り場所

バーズヘッドの島々には、絶滅の危機に瀕するパシフィックオサガメ(世界最大かつ最速で泳ぐカメ)が産卵するための最大のビーチがあります。

CIの取り組み

「バーズヘッドシースケープ イニシアティブ」は、2004年に開始された、世界で最も野心的なコミュニティベースの環境保護プログラムの一つです。CIは、西パプア、インドネシア政府、The Nature Conservancy、WWFを含む30以上のパートナーと協力し、360万ヘクタール(3万6千平方キロメートル)以上をカバーする12の海洋保護区(MPA)のネットワークを構築しました。 これらのMPAには、海岸、サンゴ礁、魚類を調査および保護するために、地元へ雇用をもたらすことにつながり、地域コミュニティが海洋資源と生活を守るために、資源を持続可能な方法で管理できるよう助けます。 イニシアティブの開始以降、魚の個体数は回復しています。そして、サメやクジラ、エイが戻ってきました。 外部の漁師による密猟は90%も減少し、サンゴも回復傾向にあります。そして、エコツーリズム開発が盛んになりました。

 

© Will Turner

保護区を創設する

透明性を保ち、協調的なプロセスで創設された保護地域は、海そのものを含む、地球上で最も危機に瀕する場所で生物多様性を保護をしながら、天然資源の適切な管理を実現させるのに役立ちます。 CIは、150のパートナーと協力することで、520万ヘクタール(5万2千平方キロメートル)をカバーする海洋保護区の創設を支援しました。そのうち、アブロリョス、バーズヘッド、スル・スラウェシ、東部熱帯太平洋それぞれ4つのシースケープを含む2200万ヘクタール(22万平方キロメートル)において、保全活動が更に強化されています。

 

© Burt Jones and Maurine Shimlock

今も、これからも ー 守り続けるために

CIは、バーズヘッドシースケープを永続的に保護していくために、自治体や政府を含む30以上のパートナーらと協力しています。パートナーの一つ、ブルーアバディ基金(The Blue Abadi Fund)は、長期的に海洋資源を持続的な形で管理していくために地域コミュニティや活動機関に助成金を拠出する、保護活動信託基金です。(「アバディ」とはインドネシア語で“永遠”を意味します)。これは、これまでで最大規模の「場所ベース」の海洋保護活動の一つです。

 

CIは、西パプアの人々、インドネシア政府、The Nature Conservancy、WWFおよび30を超える他のパートナーと緊密に協力して、この地域の保全に取り組めることに感謝しています。バーズヘッドシースケープイニシアティブを長年にわたって支援してくれている、ウォルトンファミリー財団のご支援に更に感謝の表します。