「マングローブ」
知っておくべき11の事実
この不思議な木は、生存において厳しい環境下に置かれていますが、
私たちがより良い生活を送ることができるのは、マングローブのおかげなのです。
マングローブとは、どんな木でしょうか?
マングローブは、塩分を含む沿岸水域や、絶え間ない潮の満ち引きが起こる場所など、
ほとんどの樹木が適応できないような環境下でも成育することのできる熱帯樹木です。
マングローブの森は、大量の炭素を蓄えることができるため、
気候変動との戦いにおいて重要な役割を果たしますが、現在、世界中でその存在が危機にさらされていいます。
マングローブを守ることは、地球の未来を守ることにつながります。
マングローブに関するこれらの事実を知って広めて、みんなで変化を起こしませんか?
マングローブは少し塩辛い
マングローブは世界で唯一、海水でも生きることができる樹木です。有毒な塩分に対して、マングローブはどのように対処しているのでしょうか。それは、吸収した海水の塩分を様々な方法で外に出すしくみを持っているのです。ワックスのようなもので覆われた特殊な葉から塩分を捨てたり、幹の穴から排出したりするものもあります。
マングローブには様々な大きさがある
マングローブにはさまざまな大きさのものがあります。高さは2mから10mくらいで、少なくとも50種、多いものでは110種にのぼるといわれています。どの種類も長楕円形または楕円形の葉を持ち、淡水と海水が交わる汽水域に生息していることが特徴です。
マングローブに群がる魚たち
特に水中に生えている根は、3センチほどのハゼから3メートルほどのサメまで、何千種類もの魚たちにとって大切な生育環境となっています。
マングローブは、際(きわ)に生息する
マングローブ林は、熱帯・亜熱帯の118カ国の沿岸部にあり、その面積は13万7,000平方キロメートル以上で、日本の国土の約3分の1と同じ面積にあたります。
世界のトップはインドネシア
マングローブの面積が最も広いのはインドネシアで、約2万3,000平方キロメートルにもおよびます。これは、沖縄県の約10倍ほどの大きさです。
マングローブは、南方の海岸を好む
マングローブは大量の炭素を貯蔵できる
「ブルーカーボン」と呼ばれる生態系(マングローブや海草、塩湿地など)は、陸上生態系の最大10倍の効率で炭素を吸収し、長期的に貯蔵できるため、気候変動との戦いにおいて重要な解決策にもなりえます。
マングローブが人々の安全を守る
マングローブの森、特に太くて入り組んだ根っこは、海面上昇を伴う地球規模の気候変動の影響で脅威を増す高潮の危機に対し、自然の「防波堤」として機能するため、沿岸地域のコミュニティにとって不可欠な存在です。
ミャンマーにおける問題
マングローブは、世界のほぼすべての地域で破壊の脅威にさらされていますが、特にミャンマーでは、森林破壊の速度が世界平均の4倍のスピードで進行しており、深刻な問題になっています。
エビの養殖が抱える「大きな問題」
タイ、メキシコ、インドネシアでは、マングローブ林を伐採して、一時的にエビの養殖場が作られることがよくあります。しかし、エビの養殖場が閉鎖された後には、蓄積された廃棄物や汚染物質が放置され、地域住民や多くの生き物にとって有害な水として残り続けます。
再植林よりも、再生
マングローブの密集した根は、潮の流れを妨げ、栄養豊富な土砂を運ぶ役割を担っています。しかし、一度失ってしまえば、マングローブが根を張って保っていた土砂が動いてしまうため、再植林は非常に難しいのが実情です。
CIの解決策
コンサベーション・インターナショナルは、マングローブの保全と再生を目指す専門家や政府、NGOの連合である「グローバル・マングローブ・アライアンス」の積極的なパートナーです。
アライアンスの戦略は、2030年までに世界のマングローブ生息地の面積を20%増加させることを目標としています。これは、気候変動の緩和、生物多様性、世界中の沿岸地域コミュニティに利益をもたらす野心的な目標です。
コンサベーション・インターナショナルは、アライアンスでの活動に加え、伐採、採掘、商業開発によって重要なマングローブの生息地が危機にさらされているインドネシアにおいて、マングローブ生態系の保護と再生のために地元コミュニティと協力しています。この取り組みの一環として、インドネシアの西パプア州政府と協力し、沿岸水域30%を海洋保護区に設定しながら、同州のマングローブ生息地に対するの脅威を100%除去するための取り組みなど、強固な保護ガイドラインを確立させています。